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【介護の現場で求められる接遇とは?】接遇マナーの5原則について解説!

サービス業、医療現場、介護現場などあらゆる場面で重要なスキルとされる「接遇」。最近は、接遇マナーの向上を目的として、勉強会や研修を実施する事業所も増加しています。

「接遇」は徐々に世間的に浸透してきた言葉ですが、介護の現場ではたらく人の中には

そもそも接遇ってなに?

接遇はなぜ大切なの?

と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

接遇マナーの重要性を理解していないと、いくら勉強会や研修を受講しても高品質なケアを提供することはできません。

今回では、介護の現場において「接遇」が重視される理由や、接遇マナーの5原則を紹介します。

介護職が接遇マナーを身につけるメリットもご紹介しますので、本記事を参考に日々の業務に役立ててみてくださいね。

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目次

そもそも「接遇」とは?

そもそも「接遇」とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?

「接客」との違いや、介護の現場で「接遇」が重視される理由について解説します。

「接遇」はおもてなしの心で接すること

「接遇」とは、おもてなしの心を持って相手に接すること

また、「接遇」と似た言葉に「接客」があります。

一般的には

  • 接客:「ただサービスを提供すること」
  • 接遇:「丁寧におもてなしすること」

ととらえられています。

接遇マナーは、接客マナーのワンランク上の位置づけとされています。

たとえば、サービス業では、お客様に対して直接サービスを提供します。このとき、接客マナーは業務を遂行するにあたって必要なマナー。正しい言葉を使うことや間違いなく販売や案内をすることが求められます。

その一方で、接遇マナーでは、接客マナーよりもさらに高いレベルが求められます。たとえば、レストランで「苦手なものはございませんか?」と聞くことなど、ワンランク上のサービスが必要とされています。

さらに接遇マナーは、お客様が支払う対価にも反映されます。カイクマ

ホテルやタクシー、介護などの分野では、接遇マナーが重視されるケースが増えています!

介護事業所内で開催される接遇勉強会や研修の種類

最近、多くの事業所で開催されることが増えている接遇に関する勉強会や研修。内容の形式としては、主に2パターンがあります。

こちらでは、介護事業所内で開催される接遇に関する勉強会や研修の種類をご紹介します。

施設職員が開催する勉強会

一つは、事業所の職員が講師となって開催するスタイルです。主に、役職をになっている職員が講師となるケースが多いです。

担当となった職員が資料を集め、前に立って勉強会を開催します。事業所内の問題点や改善点、対策を全員で学んでいくことで接遇面が見直されます。

職員が講師となって行うため、比較的定期的に開催しやすいでしょう!

2〜3ヶ月に1回や季節ごとに開催するなどして、改めて介護における接遇やマナーについて振り返る機会を設けることが大事です。

外部講師による勉強会

外部講師を呼び、勉強会や研修を開催するスタイルもあります。この場合は、外部から講師を招くことになるので上記と比べて費用がかかるでしょう。

また、外部講師とのスケジュールを合わせる必要があるため、開催頻度はそこまで多くはありません。しかし、接遇やマナーに特化した勉強会や研修を受講することができます。

接遇やマナー面のスキルアップが実現します!年に1回の開催でも十分な効果が表れるでしょう。

介護の現場で「接遇」が重視される理由

介護の現場ではなぜ「接遇」が重視されるのでしょうか。

ここでは、

  • 利用者に安心して施設に通ってもらうため
  • 個人を尊重し、介護現場を居心地のいい空間にするため 
  • 数ある介護サービスの中から選んでもらうため 

の3つの理由をくわしく解説します。

利用者に安心して施設に通ってもらうため

介護施設としてもっとも大切なのは、利用者にとってもその家族にとっても、安心して施設を利用することができると感じてもらうことでしょう。

本来、マニュアル通りの仕事ができていれば日々の業務はこなせるでしょう。それにもかかわらず、接遇マナーが重視されるのは、介護スタッフは利用者の身のまわりの介助を行うため、利用者と信頼関係を築くことが必要不可欠であるためです。

利用者に「このスタッフには安心して任せられる」と感じてもらうことが大切なのです!

個人を尊重し、介護現場を居心地のいい空間にするため

介護現場において、利用者個人を尊重することは重要視されているポイントでもあります。

介護職スタッフが接遇マナーを意識することで、利用者の尊厳を守ったり、自分らしい生活を送ったりすることをサポートできます。一方、正しい接遇マナーを身につけていないと、利用者に対して失礼な行動や言動をとったり、トラブルとなるおそれがあります。

数ある介護サービスの中から選んでもらうため

介護の現場で「接遇」が重視される3つ目の理由は、ほかの施設との差別化を図るためです。

利用者が介護サービスを利用するとき、介護施設の選択肢は多く存在するでしょう。その中から選んでもらうためには、ほかの施設と差別化を行う必要があります。

具体的には

  • 信頼できる施設であるか
  • 接遇マナーが徹底されているか

などを挙げることができます。

単に業務の遂行だけではなく「おもてなしの心」を持って利用者と接し、企業の「信頼」を高めることに注力する企業が増えています。

接遇マナーの5原則とは?

接遇を行うためには「接遇マナーの5原則」があります。

おもに、以下の5つが 「接遇マナーの5原則」 のポイントとされています。

  • 身だしなみ
  • あいさつ
  • 表情
  • 言葉遣い
  •  聴く姿勢

それぞれくわしく見てみましょう。

身だしなみ

介護施設では利用者に直接触れて介助を行うことも多いため、身だしなみに気をつけなければなりません。

介護の現場における身だしなみで大切なのは「清潔感」と「機能性」です。

清潔感

「清潔感」については、具体的には服装をもちろん、清潔感のある髪型であることや、爪は短く切られているかなどが求められます。

機能性

「機能性」については、動きやすい服装であるか、アクセサリーは外しているか、安全で動きやすい靴を履いているかなど確認してみましょう。

あいさつ

あいさつは、あらゆる人とのコミュニケーションにおける基本です。

とくに初対面の場合、あいさつの印象がその人の第一印象となるでしょう。相手と目線を合わせて、明るく、にこやかにあいさつをすると好印象です。カイクマ

小さな声でボソボソと話すよりも、聞き取りやすい音量、話し方を心がけることが大切です!

表情

硬く、暗い表情は利用者はもとより、ともに働く同僚にも不安を与えかねません。

相手の目を見て、にこやかな表情で接するよう心がけましょう。

表情は感情を表すためのノンバーバルコミュニケーションです。たとえば、利用者さんに悲しいできごとがあり、そのことを介護者に話してくれたときには無理に笑顔でいる必要はありません。

相手の感情を読み取り、気持ちに寄り添うことで共感を得やすくなります!

普段から「自分は表情が暗いな」「表情が暗いとよくいわれる」という人は、鏡の前で笑顔の練習をしたり、日常生活でも意識して表情に気をつけましょう。

言葉遣い

介護をするうえで基本的な言葉遣いは敬語です。

その一方で、認知機能の低下から敬語が聞き取りにくいという場合もあります。そのようなときは、少し語尾が短くなる、丁寧語に切り替えてみましょう。言葉遣いでは臨機応変な対応が求められますが、どんなときも尊敬の念を忘れないことが大切です。

適切なスピードで、相手に聞き取りやすい話し方を心がけましょう!

聴く姿勢

さまざまな性格、性別、年齢層の利用者に対応するためには、利用者個々人のニーズを引き出すことが大切です。それには、まず相手の話や要望を聴く力が必須です。

利用者やそのご家族の話に耳を傾け、話を引き出し、相手の気持ちに寄り添いましょう!

また、話を聞くときは表情や声のトーン、仕草にも気配りが大切です。

介護現場で特に意識すべき接遇ポイント

身だしなみやあいさつなどの接遇マナー5原則を押さえたうえで、介護現場では意識すべきポイントがいくつかあります。

こちらでは、介護現場で特に意識すべき接遇ポイントを3つご紹介します。

日頃の業務内で、きちんと行えているか改めて振り返ってみましょう!

目線の高さ

介護施設の利用者と接する際は、目線の高さに注意しましょう。会話をするときや話を聞くときなどコミュニケーションを取るときは、利用者の目線に合わせることが大事です。

利用者が座っている状態で、立ったまま話しかけると上から見下ろす形になってしまいます。高圧的で怖い、冷たいという印象を与えてしまう恐れがあります。

相手が座っている時は、こちらも椅子に座ったりしゃがんで上からの目線にならないように気をつけましょう。

スタッフ同士の会話

利用者やその家族だけでなく、スタッフ同士の会話も注意すべきポイントのひとつです。見られていないと思っていても、意外に利用者にスタッフ同士が会話していることを目撃されていることは多くあります。

少しでも乱暴な言葉遣いや強い言い方をしていると、利用者は不信感を抱いてしまいます。

特に高齢の方は、綺麗な言葉遣いを使っていない人に対して不快感を感じやすいです。

スタッフ同士で会話をする場合も、言葉遣いや言い方などを丁寧にするように意識しましょう。

傾聴力

傾聴力とは、単純に話を聞くだけでなく、相手を深く理解するために相手の感情や話の背景などを深く聞き取るスキルのことです。

介護の現場では、傾聴力は重要なポイントです!

相手の目を見て会話をし、表情や雰囲気を柔らかい人が傾聴力がある人になります。また、わからないことがあれば質問をして、相手を深く理解しようという姿勢を見せます。
カイクマ

傾聴力がある介護職員に対して利用者は心をオープンにしてくれます!

相手を深く理解するためのスキルや姿勢が大事です。

介護職員がやってはいけない接遇

身だしなみやあいさつの重要性をしっかり理解している方が一方で、残念ながら接遇やマナースキルが身に付いていない介護職員もいます。

接遇やマナー面が良くない職員は、一体どのような接し方をしているのでしょうか?

こちらでは、介護職員がやってはいけない接遇として6つのパターンをご紹介します。

利用者に対して無関心な態度を取る

一つは、利用者に対する態度が悪い介護職員です。

「私の仕事ではない」「担当じゃないから」と無関心な態度を取ってはいませんか?

利用者に対して関心が無いと、必要なことを見落とし、思わぬ事故や不測の事態を招いてしまう恐れがあります。また、無関心な態度だと感じ取られるような振る舞いも良くありません。

笑顔がなく、話しかけづらい雰囲気を出していないか振り返ってみましょう。

利用者の要求を無視する

次に、利用者の要求を聞こえているにもかかわらず無視する人です。また、知っているのに知らないふりをすることも良くありません。

クレームを言われてしまい、大きなトラブルの原因となる可能性もあります。ときには、現実的でないことや理不尽な要求をされることもあるでしょう。

答えることが難しい内容であったとしても、どのようなことを伝えようとしているのかを受け取る姿勢を見せることが大事です。

不親切で冷淡な接し方をする

不親切で冷たい接し方をしていると、相手は当然不快感を抱くようになります。仕事が大変だとしても、利用者や周りの人に当たってはいけません。

介護の仕事は、利用者が安心して日常生活を送れるように適切なケアを行っていきます。直接身体に触れる介助業務も多いなか、接し方一つで信頼関係に大きな影響を与えます。

日頃の接し方も見つめ直してみましょう!

子ども扱いをする

介護を必要とする方は、思うように身体が動かせず、自分の意思を上手く伝えられない方も多くいます。しかし、言葉遣いや態度が子どもに接するようなものであってはいけません。

子ども扱いをする言動は、利用者の尊厳を傷つけてしまう行為です。介護職は、常に相手を敬う気持ちを大事に業務を行わなければなりません。

利用者ができないことがあっても、失礼のないように接するようにしましょう。

たらい回しにする

利用者に対して必要なケアを放置し、他の職員に押し付けたらい回ししてしまうケースです。自分が好きな仕事だけをする、当事者意識が低い人ということになります。

介護職員全員で一つのチームとなって業務を進めていかなければなりません。

一人でも意識が低い人がいると、チームワークが乱れます。結果的に、利用者に迷惑をかけてしまうことになります。

「私じゃなくてもいいだろう」「他の人がやってくれるだろう」という身勝手な行動は取らないようにしましょう。

説明や理由を明確にせずに待たせる

介護職員は多くの業務を抱えており、ときには利用者に少し待ってもらう時間も発生するでしょう。しかし、何も説明や理由をせずに待たせるのはやってはいけない行為です。

待たされた側は、いつまで待てばいいのだろう、なぜ答えてくれないのだろうと不安になります。

待たされる時間が長くなるほど、不快感も大きくなるでしょう。どうしても待たせてしまう場合は、丁寧に説明をすることが大事です。

介護職スタッフが接遇マナーを身につけるメリット

接遇マナーは、利用者のためだけに身につけるものではありません。

もちろん、接遇マナーには施設を利用する人やそのご家族に安心感を与える役割がある一方、接遇を身につけることによって、職場全体の環境がよくなるなどの効果もあります。カイクマ

ここでは介護職スタッフが接遇マナーを身につけるメリットをご紹介します。

トラブルを未然に防ぎ、仕事がはかどりやすくなる

正しい接遇マナーは、利用者との信頼関係を築き、スムーズな仕事の遂行につながります。

話し方や態度によっては、相手に不快感を与えてしまいます。 利用者やその家族からのクレームの原因にもなり得ます。 また、職員同士のトラブルに発展してしまう恐れの可能性もあります。

接遇マナーを身につけることで、質の高いサービスの提供ができ、働く意欲やスキルも向上します。

業務上のトラブルを未然に防ぐことにもつながります!

職場全体の環境がよくなる

接遇マナーを意識したコミュニケーションは、職場の雰囲気もよくなり、働きやすい環境になるでしょう。

相手の気持ちを考えて行動するようになるので、自然に職場環境が改善されていきます。

結果として、仕事の効率があがり、スタッフのモチベーションも向上させます。そのような環境では、自分の働く会社に誇りを持てるようになり、その職場で働くスタッフの「従業員満足度」を高めるのです。

自分自身のスキルアップにつながる

接遇マナーは、あいさつや身だしなみなど、生きるうえで「基本」と呼ばれるものです。

この基本が当たり前にできることによって、利用者や家族と良い関係を築くことができます。また仕事以外での対人コミュニケーションにおいても、よい作用があるでしょう。

接遇マナーを身につけ、そして正しく実施することができる介護職スタッフは、利用者からだけでなく職場からの評価も高くなります。より信頼できる介護職員として職場でも重宝されるようになります。

自分のスキルアップだけでなく、評価やキャリアアップにつながる可能性も高い!

接遇は利用者のためだけではなく、自分自身のためにもなる!

介護の現場で働いているスタッフは利用者にとってかけがえのない存在。利用者やその家族、周囲のスタッフから信頼を得るためには接遇やマナー面を向上することが必須となります。

接遇マナーを身につけることによって、より利用者に寄り添う、信頼できる介護スタッフとなるでしょう。また、身につけた接遇マナーは、いずれ自分自身の生活にもよい影響を与えます。身だしなみやあいさつ、言葉遣いなど一つひとつを意識することで、職場環境の改善にも繋がります。

相手の立場を考えながら、思いやりのある行動を心がけましょう!

事業所内の勉強会や研修に積極的に参加して、接遇スキルを高めていきましょう。 

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