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介護の無駄な業務例5選!業務改善のアイデア出しや取り組み方を解説
介護の仕事をしている中で、非効率な場面に遭遇することがあります。その非効率さが原因で、スタッフが疲れ果てたり、連絡ミスが生じたりすると、離職やトラブルが発生し、悪循環に陥ります。
無駄な業務を減らすことは、スタッフ全員が協力して取り組みたい課題です!
介護の無駄な業務例5選

介護の仕事において無駄な時間は、トラブルやご利用者様からのクレームにつながる可能性があります。 また、スタッフの負担軽減のためにも、無駄な業務があれば改善していきたいところです。
そこで、ここからは現役介護士さんのさまざまな意見を反映し、よくある無駄な業務例を具体的に5つ紹介していきます。
連絡ミスがあり、何度も確認し直す
連絡ミスは非効率なだけでなく、大きなトラブルを引き起こす原因にもなります。特に、以下のような連絡ミスは避けたいところです。
- 口頭で伝えたはずが実際にうまく伝わっていなかった
- 伝達がわかりにくく相手が内容を理解できなかった
連絡ミスがあると何度も確認し直し、そのたびに業務の内容を変えなければならないため、無駄な時間につながってしまいます。
何十分もかけて記録を書く
記録は、介護の業務の中でも大切な仕事の1つです。 しかし、そればかりに時間をとられてしまうと通常業務が進まなくなり、時間のロスにつながってしまいます。
また、手書きの記録である場合は時間がかかることもあります。
会議中脱線する話が多い
介護の仕事はどのジャンルにおいてもチームワークが必要なため、会議は欠かせません。 しかし、限られた時間の中で設定された会議で話が脱線してしまうこともあります。

優先順位が誤っていて利用者様からのクレームに繋がる
介護の仕事は、多忙なことがよくあります。 忙しい中で優先順位を間違えた業務をしてしまうと、時間の無駄につながってしまいます。 例えば、トイレ介助をするべき時間に部屋の掃除を行うなどです。
非効率により、介護ケアの時間が長くなる
非効率により、介護ケアの時間が長くなってしまう可能性もあります。
例えば、排泄介助の前に必要な物品がうまく揃えられず、何度も取りに行って時間を無駄にしてしまうなどです。
業務内容によっては、非効率によりご利用者様に迷惑をかけてしまうこともあります。 時間の無駄に気づいたら、ぜひ改善していきたいところです。
現場職員が「無駄」と感じる介護業務のリアル

介護現場では、職員の多くが「この業務、本当に必要?」と疑問に感じる場面があります。特に人手不足の中、限られた時間で多くのタスクをこなさなければならないため、非効率な作業にストレスを感じる職員も少なくありません。
ここでは、現場の声をもとに、以下の3つに分類して紹介します。
時間がもったいない業務に感じる無駄
時間的コストが大きいのに成果が少ない業務として挙げられるのが、「手書きの記録業務」や「口頭での伝達による情報共有」です。
例えば、1回の記録に10~15分、1日4回の記録を行う場合、1人あたり1時間近くを記録だけに費やすことになります。
特に手書きでは転記ミスや読みづらさも発生しやすく、再確認が必要になることがあるかもしれません。こうした業務は、ICTツール導入などで改善可能とされており、多くの事業所で見直しが進められています。
手間のわりに成果が見えにくい業務に感じる無駄
以下のような結果につながりにくい作業に対して、無駄を感じる職員が多いです。
- 朝礼の形式的な確認
- 毎回内容が同じ会議
- 形だけの帳票管理
会議では議事録が残るものの改善につながらず、単なる「時間つぶし」となってしまうケースもあるでしょう。目的やアウトプットが不明瞭な業務は、現場のモチベーションを低下させる要因にもなりかねません。
成果の可視化や、KPI設定による評価が求められています。
利用者や家族とのやりとりの中で感じる無駄
利用者本人ではなく、家族対応に過度な時間を割かれるケースも「見えにくい無駄」の1つです。特に連絡帳への長文記入や、電話対応の多さが指摘されています。
家族からのクレームや要望に丁寧に対応することは重要ですが、あまりに頻繁だったり、内容が繰り返しになると職員の負担が大きくなりかねません。これを改善するために、連絡帳の電子化や面談の事前予約制を導入している施設も増えています。

介護現場の無駄な業務を可視化するためにやるべきこと
介護現場での業務改善を図るには、まず「何が無駄なのか」を可視化することが不可欠です。個人の主観だけではなく、客観的なデータに基づいて業務を見直すことで、本質的な改善が可能になります。
以下では、可視化の具体的な手法を3つに分けて紹介します。
業務を洗い出して時間配分を記録する
まず行うべきは、1日の業務を細かくリストアップし、それぞれにかかっている時間を「見える化」することです。
例えば、「バイタル測定」「食事介助」「記録記入」「申し送り」などを15分単位で区切って記録します。
これは、時間の偏りや業務の集中時間帯を明確にし、ボトルネックを発見するのに有効です。エクセルやタイムスタディシートなどを活用すると記録がスムーズに進みます。
「ムリ・ムダ・ムラ(3M)」の視点で分類する
「ムリ・ムダ・ムラ(3M)」は製造業や介護現場でも広く使われる業務改善の基本的な概念です。
- ムリ(無理):職員の負担が過剰である業務
- ムダ(無駄):なくても支障がない業務
- ムラ(斑):業務のやり方や負荷にばらつきがある状態
業務を3Mの視点で分類することで、「どの作業が削減または見直しできるか」が明確になります。チーム内で意見を出し合いながら可視化することが重要です。
厚生労働省の課題把握シートを活用する
厚労省が提供している「課題把握シート」は、介護施設の業務棚卸しや改善点の整理に役立つ公式ツールです。業務ごとの時間・頻度・負担感などを職員が記入し、チームで情報を共有することで現場の課題を客観的に浮き彫りにします。
現場の声を元に改善策を立てる“ファクトベース”の改善が可能になります。
また、厚生労働省では、取り組みに活用可能なツールや、取り組みの手順も紹介してあるので、ぜひ参考にしてください。
無駄な業務を改善したいときの3つのポイント

無駄な業務を改善したいときには、会議の前に押さえるべきポイントを把握しておくことが大切です。 スタッフ一人ひとりが、押さえるべきポイントを理解しておくことが重要です。
そこで、ここからは、無駄な業務を改善したいときの3つのポイントを解説していきます。
優先順位を書き出す
優先順位が誤っていることが理由で時間の無駄が発生してしまうこともあります。 その場合はまず、優先順位をしっかりと整理していくことから始めましょう。
最初に業務を全て書き出し、その業務一つ一つに優先度を5段階でつけてみるとわかりやすいかもしれません。
優先度は時間によって変動することも多いため、タイムスケジュールに優先すべき業務を書き出してみるのも良いでしょう。
改善可能かを検討する
業務改善が可能であるかの見極めも大切です。
例えば、人手不足が原因で業務が回らない場合、「人材確保」をして改善しようとするのは難易度が高いでしょう。
しかし、優先順位を変えたり、会議を効率化させたりすることは、スタッフの少しの工夫で実現可能です。改善可能かを検討し、可能であれば課題解決に向けて案を出し合うと良いでしょう。
なぜ無駄が発生するのかを細かく分析する
根本的な問題解決には「なぜそうなってしまうのか」の原因分析が大切です。 時間の無駄が発生する原因を細かく分析したい場合は、スタッフの業務内容や動きを振り返り、どこに問題があるかを考えていきましょう。
一定期間スタッフの動きを記録し、その結果を元に話し合いをするのも良いでしょう。
排泄介助や食事介助などの主要な介護ケア業務だけでなく、掃除や物品補充などの雑務的な仕事の時間も記録していくと、スタッフの1日の動きがより把握しやすくなります。
業務改善におすすめの4つのアイデア

業務改善はスタッフ1人で実施するのは困難です。 スタッフ全員で協力し、業務改善に取り組むためには、会議の実施も大切です。 スタッフで会議の場を設け、意見を出し合いましょう。
ここからは、より効果的な会議が実施できる、業務改善のためのおすすめアイデアを4つ解説していきます。
利用者の24時間シートを作ってみる
優先すべき業務内容が曖昧である場合、時間の見直しが大切になります。
介護施設は、ご利用者様の生活を優先して時間が動いていきますので、見直しが必要な場合にはご利用者様の生活リズムを把握していきたいところです。 ご利用者様の24時間シートは、介護現場でもよく使われる情報整理のためのシートです。
期間を決めてご利用者様一人ひとりの24時間の行動を記録し、生活リズムを掴むのです。 例えば、食事にかかった時間やトイレに行った時間、排便があった時間や睡眠時間などを記録していきます。
担当するご利用者様の生活リズムがわかれば、各時間帯にスタッフが優先すべき業務も自然にわかってくるでしょう。
シフト表の改善を図ってみる
シフト上の問題が原因で、時間の無駄を生んでしまっている場合もあります。
例えば、忙しい時間帯にはスタッフが少なく、比較的業務が少ない時間帯にスタッフが多い場合はシフトの見直しが必要です。
シフト表の改善を提案したいときには、「どの時間帯にどれくらいのスタッフが必要なのか」を話し合い、明確にした上で上司に交渉すると良いでしょう。

役割分担を細かく決める
介護はチームワークであるため、その日のメンバーで役割分担することも大切です。 介護の仕事は、毎日スタッフメンバーが違うことも多いため、役割分担がなんとなくになりがちですが、それが原因で時間のロスを生んでしまうケースもあります。
予めシフト表に毎日の役割分担を記載しておくなど、明確化しておくことで時間の無駄を削減できるかもしれません。
連絡ツールを変えてみる
連絡ミスや記録時間のロスが発生してしまう場合は、連絡ツールを変えてみるのも良いかもしれません。 どうしても、口頭や手書きの伝達だと、ロスやミスを生んでしまうことがあります。
最近では、さまざまな便利な介護ソフトやアプリが開発されているため、導入を検討してみるのも良いでしょう。
スタッフによってはデジタルが苦手な方もいるため、誰でも使いやすいものを目安に導入を進めていくことがおすすめです。
業務改善を継続させるための仕組み・取り組み方
介護現場の業務改善は「一度きりの取り組み」で終わってしまうことが多く、継続性の担保が課題になります。せっかく見つけた改善点や工夫を現場に定着させるには、仕組みとして根付かせることが重要です。
ここでは、日々の業務に無理なく取り入れられる継続的な取り組み方を紹介します。
改善提案をPDCAで回す仕組みをつくる
改善は「提案して終わり」ではなく、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のPDCAサイクルを回すことで初めて成果に結びつきます。
例えば、「記録の手間を減らすためにチェックリスト方式にする」といった提案を、具体的なスケジュールで試験導入し、結果を見て修正していく流れが理想です。
介護現場では忙しい中でも小さなPDCAを回せるよう、月1回など定期的に見直しの機会を設けましょう。
定期的な振り返り・共有の機会を設ける
業務改善を現場に浸透させるには、チーム全体で定期的に「これまでの改善の成果」や「次の改善点」を共有する場が必要です。週次・月次のミーティングで5〜10分でも「改善報告タイム」を設けるだけで、成功体験の共有や現場の意識改革につながります。
また、改善提案を提出する仕組みや、採用された提案を掲示板などに掲示することも効果的です。
私は介護職として働いていますが、業務時に情報共有をする際、申し送りノートや記録システムを使う施設が多いです。口頭や文書での申し送りでは、振り返りや情報の変更が難しくなります。
しかし記録システムを活用することで、日付検索や排泄や入浴などの情報を一括管理できます。情報の修正も簡単にできるので、正しい情報をすぐに共有することが可能です。
小さな成功体験を積み重ねてチーム文化にする
介護現場では、大きな変化よりも「小さな改善の積み重ね」が定着のカギです。
例えば、「記録様式をA4→A5にして持ち運びしやすくした」「申し送りを10分短縮できた」など、目に見える成果をチームで「成功」として認める文化を育てることが重要です。
ポジティブな評価が現場のモチベーションとなり、自発的な改善提案の連鎖を生み出します。
介護の無駄な業務は会議で改善を図ろう!
ただでさえ人手不足が嘆かれる介護業界では、時間の効率化は大切な課題です。 しかし、1人の力では効率化は難しいことが多いので、ぜひ会議を開き、スタッフ全員で力を合わせて改善を図っていきましょう。
記事を参考に、効果的なアイデア出しをしてみてください。 そして、業務効率化を進めていき、介護ケアの質向上に繋げていきましょう。
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