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看護師が行うマッサージの効果とは?実施方法やタッチングとの違いも解説!
ドラマや実際に病院などで看護師が患者さんの身体をさすったり、身体に触れたりする場面を目にしたことはありませんか?看護師が患者さんの身体に手や指で触れる手技をタッチングといい、重要な看護技術の一つです。
マッサージを含むタッチングは、患者さんに安心感を与え、痛みや症状の緩和につながるといわれています。
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看護師が行うマッサージとは

商業的マッサージとの違いや、看護においてマッサージを活用する具体的な場面についてご紹介します。
看護におけるタッチング、マッサージ
看護技術の一つであるタッチングとは、医療現場において患者さんに安心感や安楽を与えることを目的に、意図的に身体に触れることです。
タッチングは非言語コミュニケーションの一つで、手を当てる、さする、揉む、圧迫するなどの手技があります。これらは一般的に「マッサージ」という言葉にも置きかえられるでしょう。
「手当て」という言葉があるように、看護師は、本来「手を当てる」ことを医療行為として日常的に行っていた職業であるといわれています。
触れることによって、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌され、痛みを和らげる、脈拍や血圧を安定させる、自然治癒力を高めるなどの作用があるといわれています。
商業的マッサージとの違い
看護におけるマッサージと商業的マッサージとの大きな違いは、商業的マッサージは医療行為ではなく、施術を受ける側も自己責任で受けるという点です。
一方で、看護師が行うタッチングやマッサージは、看護の知識や技術にもとづき、場合によっては医師の判断を仰ぎながら患者さんにとって有益であるという前提での実施が必要です。
厳密にいうと、日本において「マッサージ」という名称の施術ができるのは、あん摩マッサージ指圧師や医師の指示にもとづく理学療法士などと、法律によって定められています。
ただし、最近ではマッサージという言葉は一般的になり「身体に触れてリラックス効果をもたらす」という意味において広く使われています。
マッサージを活用する場面
私たちはお腹が痛いとき、自然と腹部に手を当てていることがあるでしょう。これもいわばタッチングの一種で、自然と自分自身に対し「タッチング」を施していることになります。
実際に、看護の現場では以下のような場面でタッチングやマッサージを活用することがあります。
- 症状の緩和や不快感を和らげるため、患者の背中や肩、手の甲などをさする
- 清拭の際に、患者の背部をマッサージをする
- 寝たきりの患者に対し、手足の筋肉をほぐして血流やリンパの流れをよくする
- 一定のリズムで患者の体を軽くたたき刺激を与える
- 睡眠障害の症状緩和のため手のマッサージを行う
- 不安や恐怖心があるとき、手を握ったり身体をさすったりして励ます
タッチングやマッサージは、臨床現場だけでなく訪問看護や高齢者介護の現場でも幅広く活用されています。
マッサージがもたらす効果

タッチングやマッサージがもたらす効果はどのようなものがあるのか、詳しく見ていきます。
①リラクゼーション効果
リラクゼーションとは、マッサージなどの施術によりリラックスした状態を指します。気持ちのよいマッサージなどでリフレッシュでき、身体の調子を整える効果もあります。
②痛みや症状を緩和する
患部をさする・圧迫することで太い神経繊維を刺激し、それによって痛みが緩和するという効果があります。
看護師は看護ケアの中で、適切なタッチングやマッサージを活用して患者さんへやさしく触れることで、患部の痛みや症状を緩和することができるのです。
③信頼関係を築き、安心感を与える
身体に触れることによって脳の神経伝達物質であるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンには、不安やストレスを緩和したり、人との信頼関係を強めたりという作用があります。
さらに、看護師が患者さんに直接触れることでお互いの信頼関係を構築し、患者さんに心を開いてもらうことにもつながるでしょう。
患者さんにとっては、病院という慣れない環境下で看護師に対して心に思っていることを表現しやすくなります。看護師にとっては患者さんの情報を多く得ることができ、スムーズな看護ケアを行うことができるでしょう。

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マッサージを行うときのポイント

タッチングやマッサージを行う際に注意すべきポイントについてご紹介します。
ゆっくり、リラックスして行う
手を動かすスピードが速すぎるとリラクゼーション効果が薄れてしまいます。そのため、エステなどのマッサージとは違い、ゆっくりとしたやわらかいマッサージ法で行いましょう。
また、施術者である看護師が緊張していると、その緊張は患者さんにも伝わります。マッサージは安心感や癒やしを与えるものであるため、施術者である看護師もゆったりした気持ちで行いましょう。
短時間でも効果があるので無理をしない
マッサージをすることに一生懸命になりすぎて施術者本人が疲れてしまうと、患者さんにとっても心地よいものではありません。マッサージを行うときは無理をしすぎず、短時間でも構いません。
研究では、5分間というごく短時間の実施でもリラックスなどの心理的効果が得られ、看護の現場において短時間のハンドマッサージが有用である可能性が示されています。
参考:日本看護技術学会誌|短時間のハンドマッサージによる生理的・心理的効果の検証
触られることが苦手な人もいることを理解する
看護ケアとしてタッチングやマッサージを行うには、日ごろから患者さんとの信頼関係を作っておく必要があります。
なぜなら、タッチングやマッサージは相手のパーソナルスペースに踏み込むケアであり、患者さんとの関係性によっては逆効果になりかねないためです。
看護師さんに身体を触られたときに、反射的に看護師さんの手を払いのけてしまう、という患者さんもいるかもしれません。感じ方は人それぞれで、触られること自体が苦手であるという人もいます。
その場合は、タッチングやマッサージを行うことを無理強いせず、声かけなどそのほかの看護ケアを行っていきましょう。
触れることで心地よい看護ケアを
新型コロナウイルス感染症の影響により、物理的な接触や交流が難しい状況が続いています。それは、看護の現場においてもさまざまな影響を及ぼしているのではないでしょうか。
それでも、看護におけるタッチングやマッサージは、患者さんに安心と安楽を与えるために欠かせないケアです。タッチングやマッサージを適切に取り入れて、お互いにとって心地よい看護ケアを目指しましょう。
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