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【10対1や7対1の病院とは?】看護体制や人員配置基準のポイントを理解しよう!

医療業界の専門用語として、10対1や7対1という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。また、この言葉の意味をしっかり理解できているでしょうか。

この数字は看護師と患者の割合を示すもので、10対1の場合、患者10名に対し看護師1名が必要という意味

10対1看護や人員配置基準は、看護師の働き方に大きな影響を与えます。

今回は、人員配置基準、常勤換算という言葉の意味や、10対1などの看護体制について解説します。

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目次

知っておこう!人員配置基準

分かっているようでなかなか理解しにくい、人員配置基準や常勤換算について、その用語の意味を改めて確認しましょう。

医療の質を保つための人員配置基準

医療や介護、福祉の業界で働く方であれば一度は耳にしたことがある「人員配置基準」という言葉。

人員配置基準とは、医療や介護の質を保つために、病院や介護施設などで施設ごとに決められた配置人数の基準

人員配置基準は医療法によって定められ、入院している患者数や入所している定員数に応じて、医師や看護師、介護士などの人数が決められています。たとえば、病院の一般病床の場合、人員配置基準は医師16:1、薬剤師70:1、看護職員3:1と定められています。

さらに、厚生労働省は「人員配置標準を満たさない場合であっても、患者の傷病の程度、医療従事者間の連携等により、望ましい一定の医療水準を確保することが十分可能な場合もあるため、最低基準ではなく、『標準』とされている」としています。

参考:厚生労働省|医療法に基づく人員配置標準について


さまざまな働き方に対応するための常勤換算

常勤換算とは、労働力を人数ではなく勤務時間で算出する考え方

実際に働いている人は正社員やパートなど働き方はさまざまであるため、常勤の勤務時間で換算されています。

基本的には、その職場で働くすべての看護師の労働時間を足し、週5日×8時間というフルタイムの労働時間で割ることで「通常何人で働いているか」を示します。

看護師の人員配置基準と入院基本料

入院基本料とは病院が提供する医療に対して、支払われる報酬

この入院基本料は看護師の配置人数によって算定できる点数が変化します。手厚い看護が可能な配置であれば報酬が加算され、標準以下であれば減算されるしくみとなっています。

たとえば、7対1のほうが10対1よりも看護師一人あたりが受け持つ患者数が少ないため、診療報酬が高くなり、患者が支払う入院基本料も高くなります。つまり、患者は手厚い看護が受けられ、一方、病院側も収入が上がるという側面があります。

看護体制とは

人員配置基準とは異なる考え方として、看護体制があります。

看護体制とは、病棟ごとの入院患者数に対して何人の看護師が配置されているか

ここでは7対1、10対1、13対1の違いを解説していきます。

7対1

7対1とは、看護師1人が入院患者7人を受け持つということ

7対1看護は平成18年に新設された看護基準で、従来の10対1看護より手厚く看護が受けられるようになりました。

総合病院や大学病院などの急性期病棟で、重症患者が多いことが特徴。患者の入れ替わりも激しいため、1人の看護師が担当する人数を少なくし、手厚く看護できる体制をとっています。

10対1

10対1は、看護師1人が入院患者10人を受け持つということ

7対1よりも1人の看護師が受け持つ患者数が多いため「忙しいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、7対1の病院に比べると医療の必要度が低い患者が多いため、看護師1人あたりの患者数が少し多くなっています。

13対1

13対1は、看護師1人が入院患者13人を受け持つということ

医療必要度の低い患者のケアをする病院であることが特徴で、慢性期病棟や精神病棟、回復期リハビリテーション病棟などが多いようです。

患者の病状は安定しており、入退院による入れ替わりも少ないため、1人の看護師が10名以上の患者を受け持つ体制となっています。

看護師の配置基準をめぐる動き

看護師の配置基準をめぐる動きについて見ていきましょう。

7対1の病院はメリットが多い?

患者にとって手厚い看護を受けられるという7対1の基準をとっている病院は、勤務する看護師からみてもさまざまなメリットがあります。

まず、7対1の基準をとっている急性期病棟では重症患者を多く受け入れている傾向があります。重症患者への看護は看護師のスキルアップにつながります。また、7対1は診療報酬が高く病院の収入も多いため、設備を整えることができます。そのため、7対1の配置基準を満たしている病院には最新の医療設備が導入されていることが多く、最新医療を学びながら働くことができるでしょう。

また、7対1の体制をとっている病院は、多くの看護師を必要としています。そのため、病院は良い条件を提示して多くの看護師を確保する必要があり、ほかの病院よりも比較的給与がいいことが多いようです。

病院経営への影響

患者7人に対して看護師を1人配置しなければならないという配置基準は、2006年の診療報酬改定において定められました。7対1の配置基準は手厚い看護ができるというメリットが多い一方で、病院の経営にも大きな影響を与えました。

看護師の配置人数が多ければ多いほど手厚い看護ができるだけでなく、看護師の人件費も多くかかります。そのため、7対1の配置基準を満たしている病院には多くの診療報酬が与えられることになりました。しかし、配置基準を満たしていない病院では診療報酬が少なくなり、病院が得られる収入が大幅に減ってしまったのです。

収入傾向

大都市にある規模の大きい病院は収入がアップして、地方にある中小規模の病院は収入がダウン。

配置基準を満たしていない病院は、患者の受け入れ人数に制限をかけざるを得ない状況となり、病院の倒産につながるケースもあるのです。

10対1移行による看護師の売り手市場に変化

2018年4月からの診療報酬改定では、入院医療の枠組みが大きく変更されました。その結果、7対1の病棟が減るのではないかといわれています。7対1から10対1に移行する病院が増えれば、必然的に必要な看護師の人数も減ります。

ただし、リストラなどで簡単に人員を減らせないという現状があるため、7対1から10対1に移行する病院では、看護師の採用を控える可能性が高くなります。その一方で、7対1の手厚い看護を続けることのできる病院はいわゆるブランド病院が多く、急性期で経験を積みたいと希望する看護師が集中することも考えられます。

人員配置基準は職場を選ぶときの参考にしよう

人員配置基準や常勤換算、10対1看護などについて理解しておくと、病院内の体制が見えてきます。求人情報には「一般病棟(10対1)」「一般病棟(7対1)」などの形で書かれている場合もあるので、チェックしてみましょう。

また、10対1や7対1といった数値は忙しさの目安の1つにはなりますが、単純に、受け持つ入院患者の人数が多い、少ないだけで判断することはできません。さまざまな情報を得たうえで、自分のキャリアプランに応じて働く場所を選んでみてくださいね。

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