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看護におけるコミュニケーションの重要性やポイントとは?スキルアップの方法も紹介!
これから看護師として働くにあたり、必要な知識や技能はたくさんあります。しかし専門的な知識や技能だけでなく、コミュニケーションもとても重要です。
看護師が関わる人には、患者さんやその家族だけでなく、医師や同じ看護師、更には他職種の人たちなど多岐に渡ります。良好な関係性を築きながらより良い看護に向けて協力を図っていくことも看護師としての大切な仕事と言えます。
コミュニケーションと言っても、なぜコミュニケーションが重要なのか、具体的にどのようなポイントを抑えておけば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか?
看護師のコミュニケーションを学ぶにあたり、ぜひ参考にしてみてください!
コミュニケーションに苦手意識のある看護師は多い

看護師になるにあたってコミュニケーションに苦手意識を抱えている方もいるでしょう。ここでは、X(旧Twitter)の投稿から、看護師がコミュニケーションになぜ苦手意識があるかを確認していきます。
自分は看護師なのにコミュニケーションがかなり苦手。7年間で師長さんやお局様の機嫌を損ねないように戦ってきたが、コミュ力は上がらなかった。だって師長さんもお局様も自分の話を一方的に話すから自分はほとんど口を開かなくていい。ほんと助かる。でも、たまにくる質問系は辛い。笑
https://twitter.com/muulifens/status/1613813277594877953
看護師さんの教育課程って良くできていて、マネジメントに必要なものは身につくようになってる。
https://twitter.com/KMat74562541/status/1360710338837155842
対象が患者になってるだけ。
一方、看護師さんは葛藤の強い場面や問題解決の場面でのコミュニケーションが苦手と言われてる。
多分「看護活動の経済性」の実践で、一番障害になる部分でもあると思う
感情を出す事や他人とコミュニケーションが苦手なASD、確実に看護師には向かないけど、もうなってしまったのでASDでも生き残れる方法を知りたい。
https://twitter.com/mou_kietai_/status/1333389702070640643
コミュニケーションに苦手意識がある看護師は多いようです。患者さんだけではなく医師やリハビリ職など多くの方とかかわるため、コミュニケーションを改善したいと考えている方もいるでしょう。
看護師がコミュニケーションに苦手意識を抱えている理由

看護師がコミュニケーションに苦手意識を抱えている理由は以下のとおりです。
- 緊張や不安で話しかけられない
- 自己主張の低い方が多い
それぞれ解説します。
緊張や不安で話しかけられない
看護師のなかには、緊張や不安で話しかけるタイミングを逃してしまう方が多いようです。
緊張をすると、頭の中が真っ白になり会話をうまくまとめられません。看護師の経験が浅いととくに「これを言ったら問題になるのではないか」と考えてしまい、会話を進められなくなるのでしょう。
自己主張の低い方が多い
看護師は他者貢献の思いが強いあまり、自己主張をする傾向が低いといわれています。
他者を受け入れる気持ちは、看護師には大切な能力です。しかし看護師がコミュニケーションに苦手意識を抱える原因は、性格特性も大きくかかわっています。
看護におけるコミュニケーションが重要な理由

看護におけるコミュニケーションはなぜ重要なのでしょうか。答えは以下の2つになります。
- 患者との信頼関係が築ける
- 周囲との情報共有ができる
詳細について解説していきます。
患者さんと信頼関係が築ける
患者さんは病院に来るにあたり、精神的に不安を抱えてくることが殆どです。病気そのものに対してや、治療、さらに治療に伴う経済的な面など原因は様々です。
患者さんが不安を抱えている中、頼れるのは医師や看護師のみであり、コミュニケーションを図ることで不安感の解消につながります。不安感を解消させることで、患者さんとの信頼関係を構築し、円滑な治療をもたらすことにつながります。
カイテクでは、看護職として働く方にアンケートを取りました。
Q:患者さんとの信頼関係を築くために意識していることは?
A:患者さんとの信頼関係を築くために、まずは手技をしっかり行えるようにする、加えてなぜその手技を行なっているのか理由もつけて説明するという点を意識していました。
これまで、先輩たちを見てきて、信頼される看護師はやはり技術力がある看護師だなと実感したためです。技術があることで、看護師として患者さんに認めてもらえます。
技術力がある上で、患者さんのとのコミュニケーションは大切にしていました。日々のコミュニケーションを欠かさず行うことで、患者さんの些細な変化にも気づくことができます。
この気づきが、より適切なケアに結びつき、信頼獲得へと繋がるためです。
周囲との情報共有ができる
看護師は多くの人と関わりを持つポジションです。医師をはじめ、薬剤師や栄養士、さらに作業療法士や理学療法士など多くの方と関わります。
皆が患者さんのために団結して動いています。そのため、気になる点や些細な変化でもしっかりと情報共有し、より良い看護を目指していくことは不可欠となります。
職場内でのコミュニケーションを積極的に図ることは職員間の細かな連携につながり、それが良い看護をもたらすことになるのです。
実際に看護職として働く方に、覚えておくべきスキを聞いたところ、やはりコミュニケーションスキルが重要であると回答いただきました。
Q:看護の仕事で「これは覚えておくべき」と思うスキルは?
A:私が看護師にとって最も重要だと感じているのは、コミュニケーションスキルです。看護師の仕事は、患者様へのケアだけではなく、医師やリハビリ、薬剤師、栄養士など多職種との連携が求められます。
その中で円滑なチーム医療を実現するためには、お互いに状況を把握し、正確に情報共有を行うためのコミュニケーション力が欠かせません。また、患者様やご家族と信頼関係を築くうえでも、丁寧な対応・わかりやすい説明・相手の気持ちに寄り添う力はとても重要だと感じています。
コミュニケーションがしっかりとれていることで、治療やケアもよりスムーズに行えると日々実感しています。
看護におけるコミュニケーションの大切なポイント

良好なコミュニケーションを行うには、以下のポイントを踏まえた上で患者さんとしっかりコミュニケーションを取ることが大切です。
- 時間をしっかりと取る
- オープンクエスチョンで会話させる
- 傾聴・共感する
時間をしっかりと取る
患者さんと良好なコミュニケーションを図るにあたり、看護師側でできる限りの配慮(時間や場所・話題など)を行い、環境を作ることが大切です。
もちろん看護師側の都合で一方的に場を設けてはいけません。患者さんの気分や体調に合わせて、無理を強いることがないよう常日頃から目を配っておきましょう。
ながら作業では患者さんも気持ちよく多くを語れないもの。決して多くはない時間を、患者さんとしっかり向き合いましょう。また、業務を止めることになるので、周囲への伝達も忘れずに行うと良いです。
周囲に伝えることで、共通認識を持つことと同時に、職場内のコミュニケーションを図ることにも繋がります。
オープンクエスチョンで会話させる
患者さんを相手にする際、「本音が聞き出せない」と悩む方も多いのではないのでしょうか。そんな時知っておきたいのは質問における2つの特性の違いです。
クローズドクエスチョンは「はい」「いいえ」で答えられる質問であり、回答内容に制限がある際に用いられます。しかし患者さんが気持ちよく話してもらうには、回答内容に制限のないオープンクエスチョンが適切です。
あくまでも患者さんに語ってもらいながら本音を引き出すことがメインです。できるだけオープンクエスチョンを心がけ、患者さんが話す時間を意図的に作ることが大切です。
話題に関しても治療のみでなく、家族や仕事などその人に関するあらゆる情報を語ってもらうように努めましょう。
傾聴・共感する
傾聴するにあたり、敬語などコミュニケーションのマナーを守ることはもちろん、目を見て話を聞くなど当たり前の部分を実行することが大切です。
また、話の内容について、積極的に共感の姿勢を示すことも大切です。共感するためには、相手の話をしっかりと聞かなければなりません。
看護師は患者さんの不安や恐怖を理解し、立場に立って考えて回答することが求められます。共感を示すにあたり、細かな相槌を打ったり、話の内容に応じて表情に変化を加えるなど、会話以外の要素が大事であることも注意が必要です。
会話内容だけでなく、動作などあらゆる点で、患者さんが話しやすい雰囲気を維持するように努めましょう。
笑顔で接する
看護師は笑顔で接することを心がけましょう。患者さんのなかには病状が芳しくなく、元気のない方もいます。そのため看護師が笑顔で話してくれると、安心感を与えられます。
笑顔で接することは患者さんの精神的な支えになり、信頼関係を構築していくうえで大切です。
声のトーンに気をつける
看護師は相手の状況を考えて声のトーンに気をつける必要があります。看護師の声によって、患者さんの心が変化する可能性があるからです。たとえば、病状を伝える際は落ち着いた声で話しましょう。
明るいトーンで話すと、患者さんに不快感を与えてしまう場合があります。また挨拶やリハビリなどの声掛けは元気よく行うと、患者さんに元気を与えられます。
看護師は、患者さんの状況や場面に合わせた声のトーンを意識しておくのをおすすめします。
看護学生・新人看護師に向けたコミュニケーションの実践ポイント
看護の現場では、知識や技術だけでなく、患者や医療スタッフと良好な関係を築くための「コミュニケーション力」が不可欠です。特に看護学生や新人看護師にとっては、初めて臨む実習や新しい職場で不安を感じる場面も多く、適切なコミュニケーションを通して信頼を得ることが、円滑な看護実践の第一歩となります。
実習初日に使えるコミュニケーション例
実習初日は緊張から言葉が出にくいもの。そんなときこそ、基本的な挨拶や礼儀を大切にしましょう。
「おはようございます。今日からお世話になります、○○学校の□□です」
「よろしくお願いいたします。何かお手伝いできることがあれば教えてください」
このような一言で、現場スタッフとの関係構築がスムーズになります。実習指導者への積極的な声かけも、学びの姿勢を示すうえで有効です。
患者さんに対しても、笑顔で「はじめまして。○○学校から来ました□□です。よろしくお願いします」と丁寧に伝えるだけで、相手の警戒心を和らげることができます。
患者との距離を縮める話題・質問のコツ
患者さんと打ち解けるには、いきなり医療的な話をするのではなく、日常の会話からスタートするのが効果的です。以下のような質問が有効です。
- 「今日はよく眠れましたか?」
- 「テレビは何を観るのが好きですか?」
- 「お食事は口に合いましたか?」
このように相手の体調や好みに寄り添う質問は、「あなたのことを知りたい」という姿勢が伝わり、信頼関係を築きやすくなります。また、傾聴と相づちを意識することで、患者さんが話しやすい雰囲気を作ることができます。
実習レポートに書くべき観察内容と表現例
実習レポートでは、単に「患者が元気そうだった」といった曖昧な表現ではなく、観察に基づく具体的な記述が求められます。
×「笑顔だった」
→ ○「朝食後、スタッフとの会話中に笑顔を見せていた」
×「痛がっていた」
→ ○「右足をかばうように歩行しており、『ズキズキする痛みがある』と話していた」
表情、声のトーン、動作、言葉の選び方などを五感でとらえ、主観ではなく客観的に記述することが重要です。また、患者の感情や行動の背景を考察する視点もレポート評価に繋がります。
不安を感じたときの心構えと対処法
実習や業務の中で不安を感じるのはごく自然なことです。まず大切なのは、「不安は悪いものではない」と受け止めること。その上で以下の対処法を試しましょう。
- 先輩や教員に相談する
- 不安を紙に書き出して整理する
- 一人で抱え込まず、他の学生と感情を共有する
また、「できなかったこと」に意識を向けるよりも、「今日は○○ができた」とポジティブな視点を持つことも大切です。不安の中にも成長の種があると捉え、自分のペースで一歩ずつ進んでいきましょう。
看護におけるコミュニケーション技法の種類
看護現場でのコミュニケーションは、ただ言葉を交わすだけでなく、相手の状態や感情に合わせた「技法」を取り入れることで、より効果的になります。特に、患者の安心感や信頼感を高めるためには、言語的・非言語的なスキルを活用したコミュニケーションが求められます。
ペーシング・ミラーリング
ペーシングとは、相手の声のトーン・話す速度・姿勢・呼吸などに“歩調を合わせる”技法です。ミラーリングは、相手の動作や表情を“鏡のように真似る”ことで、無意識に「この人は自分と似ている」と感じさせ、安心感を生む方法です。
具体例
- 患者がゆっくり話す場合は、こちらもゆっくりとした口調で返す
- 椅子に浅く腰掛けている患者に対し、自分も同じ姿勢をとって会話する
このように無理のない範囲でペースを合わせることで、相手との心理的距離を縮め、信頼関係を築きやすくなります。
バックトラッキング
バックトラッキングは、相手が話した言葉を“繰り返す・要約する”ことで「聞いていますよ」と伝える技法です。話し手は自分の言葉を理解してもらえていると感じ、安心感や満足感を得られます。
使用例
- 患者「昨日の夜は眠れなかった」→ 看護師「夜は眠れなかったんですね」
- 患者「ご飯があまり食べられなくて…」→ 看護師「食欲が落ちてるんですね」
ポイントは、語尾やニュアンスを変えずにそのまま返すこと。相手が話しやすくなり、会話の深まりにもつながります。
アサーティブ・コミュニケーション
アサーティブ・コミュニケーションとは、相手を尊重しつつ、自分の意見や感情も率直に伝えるスキルのことです。看護の現場では、患者・同僚・医師など多職種との関わりがあり、自己主張と協調のバランスが求められます。
- 「私は○○だと思います」と自分の意見を主語で伝える
- 相手を否定せず、代案を提示する姿勢を持つ
例えば、「そのやり方だと難しいです。私はこうした方がスムーズに感じます」など、冷静かつ建設的に伝える姿勢が大切です。
非言語コミュニケーション
言葉以外の情報(表情・視線・ジェスチャー・声のトーン・姿勢など)も、患者との関係性に大きく影響します。特に、高齢者や認知症の方、言語障害のある患者とは非言語的なやりとりが重要です。
- 笑顔やうなずきで安心感を与える
- アイコンタクトで信頼を伝える
- 手を握る、肩に触れるなどのスキンシップ(状況に応じて)
非言語コミュニケーションは、「言葉以上に伝わる」手段でもあります。患者の表情や態度の変化にも敏感になり、互いの意思疎通を支える手段として活用しましょう。
コミュニケーションスキルを高める方法
看護におけるコミュニケーションスキルを高めるためには、さまざまな方法があります。
まず、良好なコミュニケーションを築くためには、相手に対する共感の姿勢が重要です。患者や同僚と対話する際には、相手の立場や感情に寄り添うことで、より信頼関係を構築することができます。
また、聞く力を養うことも大切です。相手の話を注意深く聴くことで、彼らの本当のニーズや不安を理解し、適切な対応ができるでしょう。
さらに、明確な情報伝達能力を身につけることも欠かせません。正確でわかりやすい言葉で情報を伝えることで、誤解や混乱を避け、円滑なケアが提供できます。
ストレスや感情のコントロールも重要です。プレッシャーの中で冷静に対応することで、より効果的なコミュニケーションが可能となります。
ロールプレイでの実践練習
看護におけるコミュニケーションスキルを向上させる一つの方法として、ロールプレイでの実践練習があります。ロールプレイは、仮想のシチュエーションを演じることで、実際のケア現場でのコミュニケーションに活かすための訓練を行う手法です。
まず、ロールプレイでは臨床ケースを想定し、それに基づいた患者や同僚の役割分担を行います。その後、参加者はそれぞれの役割になりきり、リアルな会話や状況を演じます。これにより、実際のケア現場で遭遇するであろう様々な場面に対して、適切なコミュニケーションスキルを養うことができます。
さらに、ロールプレイではフィードバックを受けることが重要です。参加者同士や指導者からのフィードバックを通じて、自分のコミュニケーションスキルの強みや改善点を確認し、成長の機会とすることができます。実践的な練習を通じて、自信を持って患者や同僚とのコミュニケーションに臨めるようになります。
ロールプレイを通じて学んだスキルや知識を実際の実務に活かすことで、より質の高いケアを提供できるでしょう。
継続的な教育とトレーニング
看護におけるコミュニケーションスキルを磨くためには、継続的な教育とトレーニングが欠かせません。日々の実践の中で培った経験をもとに、自身のコミュニケーションスキルを振り返り、向上させることが大切です。
また、専門的なコミュニケーションスキルトレーニングを受けることも有効です。さまざまなコミュニケーション手法や臨床シナリオを学ぶことで、実践で即座に活かすことが可能となります。
さらに、チームでのロールプレイやシミュレーション演習を通じて、実践的なスキルを磨くことも重要です。
継続的な学びとトレーニングを通じて、自身のコミュニケーションスキルを向上させ、質の高い看護ケアを提供できるよう努めましょう。
「患者や家族」とのコミュニケーションで意識すること
患者さんや家族とのコミュニケーションで意識することを紹介します。
- 信頼関係を構築する
- 観察する
それぞれ解説します。
信頼関係を構築する
看護師は、スムーズにコミュニケーションを取れる関係性を作りましょう。患者さんが希望を言えるよう笑顔で接したり定期的に要望を聞いたりすることで、徐々に信頼関係を構築できます。
また看護師は正しい情報を伝えることも大切です。
患者さんからいつ病状について聞かれてもいいように、担当する方の情報はすぐに答えられるようにしておくのをおすすめします。
患者さんが求めている情報を丁寧に伝えることで、看護師に対して心を開いてくれます。
観察する
患者さんの状態を常に観察することが信頼につながります。不安を抱えているのか、何か伝えたいことがあるかを表情や態度から察しましょう。
不安そうな様子を感じ取ったら挨拶や雑談をしてから、患者さんの話を聞いてみてください。
患者さんの意向や希望が優先されているかを聞き、必要であれば主治医との関係調整をします。
「職場」でのコミュニケーションで意識すること

職場でのコミュニケーションで意識することを紹介します。
- 素直に聞き入れる
- できないことは伝える
- わかったふりをしない
それぞれ解説します。
素直に聞き入れる
上司からの意見は素直に受け入れましょう。先輩の看護師は自分の仕事があるにもかかわらず、アドバイスをしてくれています。
その気持ちを受け取る意味でも、まずは素直に意見に耳を傾けるのをおすすめします。
意見を伝えるときは反論するのではなく、「私は〇〇だと思っているのですがどうでしょうか?」のように提案しながら意見を言うと、相手にも不快な気持ちをさせずにすみます。
できないことは伝える
新人や若手の看護師は、先輩からさまざまな仕事を指示されます。仕事を任されたら、自分の現在のスキルから本当にできるのかを判断する必要があります。
業務範囲を聞き、できないと感じたら断ることも重要です。できないことを伝えたうえで、謙虚に教えてもらう姿勢を持てば悪い印象は与えません。
患者さんに安全な看護を提供するためにも、できないことを伝えるようにしてください。
聞き逃しのないようにする
先輩からの指示は、聞き逃さないようにしましょう。病院では患者さんの看護を24時間体制で行うため、申し送りと呼ばれる引き継ぎ業務があります。
申し送りでは前任者が患者さんに対して感じたことや、実施した処置などを説明します。後任者が業務をする際の重要な情報を伝えるので、聞き逃してはいけません。
万が一聞き逃してしまった場合は、わかったふりをしないで聞き直すよう心がけてください。
忘れてしまったときのためにメモをしておくと、何度も聞き返すことが減ります。
【状況別】コミュニケーションのポイントと対応例
看護現場では、患者の性格や状態、職場の人間関係など、日々さまざまな状況に応じた柔軟なコミュニケーションが求められます。一律の対応では信頼関係が築きにくく、誤解やトラブルの原因にもなりかねません。特に対応が難しいとされる患者・スタッフとのやりとりを中心に、場面ごとの具体的な対応ポイントを解説します。
不安を抱える患者への声かけ
入院や検査・手術前など、患者はさまざまな不安を抱えています。そんなときは、安心感を与える「共感」と「傾聴」がカギとなります。
- 落ち着いた声のトーンで話す
- 不安の言葉を否定せず「そう思いますよね」と受け止める
- 質問には丁寧かつ具体的に答える
「緊張して眠れなくて…」という訴えには、「初めての入院で不安ですよね。お話を聞かせてください」と寄り添う姿勢が大切です。
患者に安心感を与えるために、実際に看護職として働く方に聞いた、以下の内容を参考にしてください。
Q:緊張している患者さんをリラックスさせる声かけは?
A:緊張している患者さんへは、落ち着いたトーンでゆっくりと「大丈夫です。〇〇をしてください。」
例:息を吸ってください。といった声かけを行います。
〇〇の部分は、なるべく具体的にどのような行動をとればいいのかその時の状況に合わせて声かけを行います。
怒りを示す患者への冷静な対応と共感の姿勢
怒りの感情を表に出す患者には、反射的に反論せず、まず「感情の受容」を意識しましょう。
- 相手の話を最後まで遮らずに聞く
- 感情を汲み取りつつも冷静な口調を保つ
- 事実確認と謝罪・説明を分けて行う
例:「そう感じられたのですね。不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。○○についてご説明させてください。」
感情的にならず、患者の言葉の背景にある不安や不満をくみ取る姿勢が、信頼回復への第一歩です。
忙しい業務中のスタッフ間連携での伝え方
多忙な現場では、情報伝達のミスが重大な医療事故につながる可能性があります。スタッフ間の連携では、簡潔で明確な伝達が重要です。
- 要点を結論から伝える(PREP法などを活用)
- 相手の名前を呼んでから話しかける
- 復唱やメモを活用して確認ミスを防ぐ
例:「○○さん、今のバイタル異常値が出たので、医師に報告済みです」など、タイムリーな共有を徹底しましょう。
看護職として働く方にアンケートを取ったところ、コミュニケーションが大切であることがわかりました。
Q:チームでの連携を円滑にするために意識していることは?
A:とにかく、コミュニケーションをとることを意識していました。わからないことは、わからないという。患者さんが、よかったと言っていたことはそのまま伝える。
自身のスキルに関することだけではなく、患者さんから聞いた話などとにかくどんな些細なこともしっかりと話すようにしていました。そうすることで、チーム内の共通認識も増えていき円滑に連携することができました。
上司・先輩との関係構築で意識すべき受け答え
経験の浅い看護学生・新人看護師にとって、上司や先輩との関係は悩みの種になることも。萎縮せず、正直かつ前向きな姿勢でのコミュニケーションが信頼構築につながります。
- 「わからないことは素直に聞く」姿勢を見せる
- ミスをした場合は早めに報告・謝罪・再発防止策を提示する
- 感謝の言葉や相手の意図を汲んだ対応を心がける
例:「先ほどの処置で手順が不安でした。ご指導ありがとうございます。次はこうしてみます。」といった報告の仕方が好印象です。
看護におけるこにゅにケーションに関するよくある質問
看護師のコミュニケーションについてよくある質問は以下のとおりです。
- 患者さんの本音を聞き出せないときの対応は?
- 看護師にコミュニケーションはなぜ必要?
- 看護におけるコミュニケーションの観察項目は?
ぜひ参考にしてみてください。
患者さんの本音を聞き出せないときの対応は?
看護師のなかには、患者さんの本音を聞き出していいのかと悩んでいる方もいるでしょう。
本音は無理に聞き出そうとせずに、患者さんが話をしてきたら傾聴するのをおすすめします。
聞くことも大切なコミュニケーションです。患者さんの不安に共感することで、徐々に心を開いてくれます。
カイテクでは、実際に看護師として働く方にアンケートを取りました。
Q:コミュニケーションが難しい患者さんに対する工夫は?
A:コミュニケーションが難しい患者さんに対しては、気難しさからくるものであれば根気良くお話するように心がけていました。
高齢者の男性で特に気難しい方も多かったのですが、気にかけているという態度を根気良くつづけることや、相手の過去の話を聞き続けることで心を開いてくださる方は多かったです。
また、身体的な問題でコミュニケーションが難しい場合は、いかに細かい変化に気づけるかを大切にしていました。また、訪問看護の場合は、介助者であるご家族に、どんなコミュニケーションの取り方をしているのか、どんなふうに表情や感情を読み取っているのかを素直に聞いていました。
看護師にコミュニケーションはなぜ必要?
看護師にとってコミュニケーションは、単なる情報伝達ではなく、患者のQOL(生活の質)や治療の成否に大きく関わる「ケアの一部」です。そのため、コミュニケーションは「技術」として磨き続ける必要があり、業務経験に比例して自然と高まるスキルでもあります。
看護におけるコミュニケーションの観察項目は?
看護におけるコミュニケーションの主な観察項目は以下です。
- 表情の変化(喜怒哀楽・痛みの有無)
- 声のトーンや話す速度、反応の有無
- 非言語的表現(目線、動作、姿勢)
- 話す内容(訴え、不安、希望)
- 会話の頻度や自発性
これらの観察から、患者の状態変化や潜在的ニーズを読み取ることができるため、コミュニケーションは常に「観察の場」でもあると意識しておきましょう。
まとめ
本記事では看護におけるコミュニケーションの必要性から、コミュニケーションのポイントやシチュエーション別の留意点について解説をしてきました。
多くの職種や患者さんと関わる看護師の仕事は、コミュニケーションのポイントをしっかりと抑えて、連携を模索していくことが大切です。
カイテクは、「近所で気軽に働ける!」看護単発バイトアプリです。
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