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喀痰吸引しないとどうなる?必要性や実施時の注意点解説

介護施設では、喀痰吸引が必要な場合があります。 この場合、介護職員が喀痰吸引を行うことがあります。 

喀痰吸引に慣れていない、またはまだ行ったことがない場合、不安に感じることもあるでしょう。喀痰吸引を安全に行うためには、その必要性や注意点を理解しておくことが重要です。 

今回では、喀痰吸引の概要、必要な理由、そして実施時の注意点について解説します。

目次

介護施設における喀痰吸引の概要

喀痰吸引とは、疾患など何らかの理由で自分で痰が出せない人に対し、吸引器を用いて痰を出す医療行為のことです。

介護施設で喀痰吸引を行う場合には、定められた条件や範囲があります。喀痰吸引への理解を深めるためには、まずはそのルールを理解しておくことが重要です。

こちらでは、介護施設で喀痰吸引を実施する場合の条件や範囲、対象となる高齢者の特徴について解説します。

介護職員が喀痰吸引ができる条件

介護施設で喀痰吸引が必要となる際には、看護師だけでなく条件によっては介護職員も喀痰吸引を行うことがあります。しかし、全ての介護職員が喀痰吸引を行えるわけではなく、特定の条件を満たした場合のみ実施可能となります。

厚生労働省の「介護職員等による痰の吸引等の実施のための制度について」では、喀痰吸引が可能な介護職員の条件を以下のように記載しています。

○ 介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件の下で痰の吸引等の行為を実施することができる。
☆ 痰の吸引や経管栄養は「医療行為」と定義されており、法制化されるまでは一定の条件下で実質的違法性阻却論により容認されていた。

引用:厚生労働省「介護職員等による痰の吸引等の実施のための制度について」

かつては、喀痰吸引は医療行為とされていましたが、介護職員が実施することに関する規定が曖昧でした。しかし、法制化後は、喀痰吸引に関する一定の研修を受けた介護職員のみが、医師・看護師の指導のもと喀痰吸引を行って良いというルールに統一されました。

喀痰吸引の範囲

喀痰吸引は、必要なことであると同時に危険を伴う医療行為です。そのため、吸引の範囲は細かく指定されています。

厚生労働省の「喀痰吸引」では、喀痰吸引の実施範囲を以下のように記載しています。

○同条第1号及び第2号に規定する喀痰吸引については、咽頭の手前までを限度とすること。

引用:厚生労働省「喀痰吸引」

介護職員が行う喀痰吸引の場合、基本的には咽頭の手前までが限度です。それ以上奥に痰がある場合には、痰が取れないときは看護師に実施してもらう必要があるということを認識しておきましょう。

喀痰吸引が必要な状態

喀痰吸引が必要となる状態は、簡単に言えば自分で痰や唾を吐き出せない状態です。

痰や唾を吐き出すことができないため、吸引をしないと喉元に溜まってしまい、呼吸が困難になります。痰が吐き出せず喀痰吸引が必要になる状態は、高齢者の疾患が関連していることが多いです。

喀痰吸引が必要となる疾患例は以下の通りです。

  • パーキンソン病
  • 脳性麻痺
  • 脳障害
  • 脳梗塞
  • 筋ジストロフィー
  • 気管支炎や喘息

筋力が衰え、咳が困難になる場合やさまざまな疾患により嚥下障害が起きると、痰を吐き出すのが難しくなり喀痰吸引が必要になります。

脳性麻痺や脳梗塞のように嚥下機能が低下して吸引が必要になるケースもありますし、気管支炎や喘息のように痰が増えすぎて必要になる場合もあります。

喀痰吸引が必要な理由

喀痰吸引をより適切に実施するためには、理解を深めることが大切です。なぜ喀痰吸引が必要なのかを再確認しましょう。

こちらでは、喀痰吸引が必要な理由を3つ紹介します。

呼吸を楽にするため

自身で痰を吐き出せない方は、喉元に痰が溜まりやすく、それが呼吸が苦しくなる原因となります。放置すると、呼吸がますます苦しくなってしまうため定期的な吸引が必要となります。

痰吸引を行うことで呼吸が楽になるのが、必要な理由の一つです。

誤嚥性肺炎を防ぐため

痰が溜まって除去せずにいると、気管に入ってしまう可能性があります。これが原因となり、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうことがあります。

誤嚥性肺炎は、高齢者にとってリスクの高い疾患であり、最も防ぎたいものです。その予防のためにも、適宜吸引は大切になります。

誤嚥性肺炎を予防するためにも、適切な吸引は重要です。

食事を摂りやすくするため

口腔摂取による食事をしている場合でも、痰が出やすくなるため吸引が必要となることがあります。その場合には、食事前などに痰吸引を実施することが多いです。

痰を排除し、食事を摂りやすくすることで、誤嚥やムセを予防できます。

喀痰吸引を行う上での注意点

喀痰吸引は痰が溜まりやすく、自力で出せない高齢者にとって必要なものですが、その実施にはリスクが伴います。したがって、喀痰吸引を行う際には注意事項をしっかりと守ることが大切です。

こちらでは、喀痰吸引を行う上での注意点を5つ解説していきます。まずは、これらの注意点を理解しましょう。

感染予防を徹底する

人間の痰には細菌が多く含まれています。そのため、喀痰吸引自体が感染リスクの高い行為であることを忘れてはなりません。

実施前後の感染対策を徹底し、手洗いなど基本的なことをしっかりと行うようにしましょう。

感染予防は、スタッフの感染を防ぐだけでなく、利用者間の健康と安全を守るためにも必要です。

清潔を保つ

吸引瓶や吸引の際に使う水など、吸引に関する全ての用具を清潔に保つことが重要です。不潔な道具を使うと、高齢者の身体に細菌が侵入する可能性があります。

道具を使った後は、必ず清掃し消毒を徹底するようにしましょう。

決められた時間内に吸引を終える

吸引をすると呼吸が苦しくなることがあります。痰がとれないからと言って吸引を続けるのは適切ではありません。

吸引を長時間行うと、呼吸がうまくできなくなり、高齢者を苦しめてしまいます。

痰が取りにくい場合でも、必ず休憩を取りながら短時間で吸引を行うようにしましょう。

利用者の表情を確認しながら行う

吸引が刺激になり、嘔気などを誘発することもあります。喀痰吸引を実施する際には、施行中に必ず利用者の様子を確認しましょう。

「苦しそうではないか」「顔色は悪くないか」などの状態を確認することが大切です。

必ず声掛けをする

どの介護ケアでも同様ですが、実施前には必ず声掛けを行うようにしましょう。意思疎通が困難な高齢者でも、声掛けをすることで「これから何かをする」という意図を理解できる可能性があります。

無言で実施するのは、失礼なだけでなく、相手に恐怖感を与えてしまいます。実施前には「〇〇さん、痰をとりますね」などと、丁寧に声掛けをするようにしましょう。

高齢者側も心の準備ができ、抵抗などにより吸引実施が難しくなることを避けることができます。

必要性や注意点を理解して喀痰吸引を安全に実施しよう

喀痰吸引を実施するときには、緊張感が伴うものです。ある程度の緊張感は必要ですが、不安感が強すぎるとそれが高齢者に伝わってしまうことがあります。

高齢者を不安にさせないためにも、実施者は落ち着いて行動する必要があります。不安を解消するためには、喀痰吸引への理解を深めることが最も重要です。

本記事を読んで、喀痰吸引の必要性や注意点を理解し、現場での実践に役立ててください。

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