訪問介護はなくなるの？噂の真相や不安なときの対処法も紹介

「訪問介護がなくなるという噂は本当なのか？」と気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

訪問介護サービスは、在宅介護を必要とする高齢者やその家族を支える、社会的に重要なサービスです。しかし、「訪問介護がなくなる」といった不安な噂を耳にすると、「将来はどうなるのだろう？」と、特に訪問介護スタッフの方々は心配になることでしょう。

今回では、訪問介護がなくなるという噂の真偽、訪問介護が直面している問題、そして将来性についての不安があるときの対応策などについて解説します。

訪問介護がなくなる噂の真相は？

訪問介護がなくなるという噂を耳にしたことがある方もいると思います。

この噂を聞いて、「本当になくなってしまうのだろうか？」「訪問介護スタッフとして働いている私たちはどうなってしまうのだろう？」と不安に思うのは当然です。

そこで、ここからは訪問介護がなくなるという噂の真相をわかりやすく解説していきます。

結論：なくならない

結論から申し上げますと、訪問介護サービスがなくなるという事実は現時点ではありません。

訪問介護は社会的意義の高い介護サービスであり、高齢化社会が進む日本では今後その需要が益々高まると予想されています。では、なぜそのような噂が流れたのでしょうか？その原因について考えてみましょう。

次の項目では、訪問介護サービスがなくなるという噂が立った原因を詳しく解説していきます。

ただしなくなる訪問介護事業が難しくなる可能性はある

訪問介護サービスがなくなると噂された元となる原因は、「訪問介護事業が難しくなる可能性がある」という声が挙がったことにあります。

訪問介護の事業が今後難しくなるとは、具体的にどういうことなのでしょうか？

財務省の「社会保障について➁」では、訪問介護について以下のように述べています。

○ 要介護１・２への訪問介護・通所介護についても、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供が効果的・効率的であるとされています。

○ さらに、地域支援事業のあり方の見直しに取り組みつつ、第９期介護保険事業計画期間に向けて、要介護１・２への訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行を検討し、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供が求められています。

財務省「社会保障について➁」

これを簡単に解説しますと、要介護１・２の訪問介護サービスが生活援助が中心であることから、「本当に介護保険制度内でのサービスが必要なのか？」という疑問が提起され、それよりも要介護１・２の訪問介護を地域支援事業へと移行すべきだとの意見が出ているのです。

訪問介護サービスにおいて、要介護１・２の利用者がサービスを利用せず、地域支援事業に移行するとなると、それは訪問介護事業にとって大きな打撃となります。そうした事情から、訪問介護事業の運営が難しくなるのではないかという噂が立ったのです。

訪問介護事業が今後難しくなる原因は、他にもあります。

訪問介護が抱える問題

訪問介護が抱える問題は、多種多様です。訪問介護は在宅介護の救世主ともいえるサービスではありますが、運営に頭を悩ませる事業者も少なくないのが現状です。

こちらでは、訪問介護が抱える問題をより具体的に解説していきます。

競合が多い

訪問介護サービス全体の課題の一つとして、需要に対する供給量の増加が指摘されています。

財務省「社会保障について」の報告書では、訪問介護（居宅サービス）について以下のように述べています。

居宅サービスについての保険者等の関与のあり方

○ 居宅サービスについては、制度創設以来、事業所数が大きく増加している。また、訪問介護や通所介護の1人当たり給付費が全国平均と比べて極めて高い水準となっている地域も存在する。

○ この状況を把握し、市町村が地域のサービス供給量をコントロールするための方策として、「市町村協議制」が存在する。しかし、この制度はあくまで定期巡回サービス等を普及させる観点から、競合する訪問介護等の一部サービスの指定拒否が可能という扱いに留まっている。

財務省「社会保障について」

上記の記載から、訪問介護サービスをはじめとしたさまざまな居宅サービスの事業所が増加している現状が明らかになります。供給量が需要を超える状況は、事業の運営を難しくしています。

働くハードルが施設介護より高い

訪問介護スタッフとして働くには、介護職員初任者研修修了者以上の資格が必要となります。

施設では無資格でも働くことが可能な一方で、訪問介護では資格が必要となるため、訪問介護スタッフとして働くことは、施設スタッフになるよりもハードルが高いと言えます。そのため、訪問介護スタッフの人数を今後増やすことも困難な状況になっています。

賃金設計が難しい

訪問介護では、スポットヘルパー以外の場合、勤務中の移動が必須となります。

移動中もスタッフへの賃金が発生するため、介護報酬ベースの賃金設計が難しいのが現状です。移動距離が長ければ長いほど、それによる負担も増大します。

スタッフの高齢化

介護業界全体では、スタッフの高齢化が問題となっています。

若いスタッフがあまり入職せず、比較的年齢が高いスタッフに頼らざるを得ないのが現状です。特に訪問介護では、家事援助や密なコミュニケーションが必要な場合もあるため、経験の浅い若い人にはハードルが高く感じられるかもしれません。

一方で、ある程度の生活経験を持つ主婦層からは人気の職種であるため、スタッフの年齢層は必然的に高くなる傾向にあります。

人材不足

訪問介護を含む介護業界全体で、人材不足が深刻な問題となっています。

高齢者人口は増加の一途を辿る一方で、若者が介護職に定着しにくい状況は難題となっています。さらに、競合が増えて囲い込みが難しくなり、人手不足は介護業界の慢性的な問題となっています。

訪問介護の将来性が不安なときの対処法

「訪問介護の将来性が不安」と感じた方もいるのではないでしょうか？

訪問介護サービスは、なくなることはないとはいえ、運営が難しくなる可能性があると言われています。訪問介護で働いている方は、特に今後の展望について不安を感じながら働きたくないですよね。

こちらでは、訪問介護の将来性が不安なときの対処法を紹介していきます。

資格を取得しておく

訪問介護スタッフとしての将来に不安を感じたら、働きながら資格を取得することがおすすめです。

特に、介護福祉士実務者研修修了資格や介護福祉士、ケアマネージャーなどの資格を持っておけば、万が一の場合にもすぐに転職できる可能性が高まります。また、介護福祉士実務者研修修了者の資格や介護福祉士を持っていれば、サービス提供責任者にもなれ、これまでの経験を活かした働き方が可能になるでしょう。

転職する

現状に不安を感じるなら、いつでも転職できるように準備をしておくことも重要です。

その際には、訪問介護サービスか施設介護サービスのどちらで働くかも検討してみましょう。ただし、施設での勤務経験がない方は、新しい職場に飛び込むことに不安を覚えるかもしれません。

副業から他の介護の仕事を初めてみる

施設介護の経験がない方は、「カイテク」を試してみてはいかがでしょうか？

カイテクは介護職員初任者研修修了者以上の資格を持っていれば、登録して働くことができます。副業として施設介護のバイトを始めれば、施設スタッフとしての雰囲気を掴むことが可能です。未知の世界に飛び込む不安を軽減した状態で、転職を考えることができるので、おすすめです。

ぜひ、カイテクなどの副業から、他の介護の仕事を初めてみましょう。

安心して働ける環境を作っておこう！

訪問介護に関するさまざまな噂が飛び交っていますが、訪問介護サービスがなくなるという事実はありませんので、過度に不安になる必要はありません。しかし、今後運営が難しくなると言われている訪問介護サービスに対する不安を覚えるのは自然な感情でしょう。

そんなときには、この記事で紹介した対処法をぜひ試してみてください。特におすすめなのが、施設介護を単発バイトで経験してみるという方法です。

一度体験してみることで、転職活動の助けにもなりますので、興味がある方は「カイテク」に登録してみてください。そして、自分に合った方法で、安心して働ける環境を作っていきましょう。