【2024年改定に対応】介護老人保健施設における介護報酬改定のポイント31選

2024年の介護報酬改定により、介護老人保健施設(以下:老健)の基本報酬や新加算が決定しました。しかし変更点が多く、情報を追えていない事業所も多いでしょう。

今回では、老健の改定内容を紹介します。

老健での加算の取得方法がわかるので、管理職や事業者の方はぜひ参考にしてみてください。

目次

【2024年改定】介護老人保険施設における介護報酬改定の変更点

ここでは、介護老人保健施設における介護報酬改定の変更点を紹介します。

基本報酬

介護老人保健施設の介護報酬の変更点は以下のとおりです。

介護老人保健施設(Ⅰ)(ⅲ)の基本報酬(多床室・基本型)

要介護1:788単位→793単位
要介護2:836単位→843単位
要介護3:898単位→908単位
要介護4:949単位→961単位
要介護5:1003単位→1012単位

介護老人保健施設(Ⅰ)(Ⅳ)の基本報酬(多床室・在宅強化型)

要介護1:836単位→871単位
要介護2:910単位→947単位
要介護3:974単位→1014単位
要介護4:1030単位→1072単位
要介護5:1085単位→1125単位

ユニット型介護老人保健施設(Ⅰ)(ⅰ)の基本報酬(ユニット型個室・基本型)

要介護1:796単位→802単位
要介護2:841単位→848単位
要介護3:903単位→913単位
要介護4:956単位→968単位
要介護5:1009単位→1018単位

ユニット型介護老人保健施設(Ⅰ)(ⅰ)の基本報酬(ユニット型個室・在宅強化型)

要介護1:841単位→876単位
要介護2:915単位→952単位
要介護3:978単位→1018単位
要介護4:1035単位→1077単位
要介護5:1090単位→1130単位

今回の改定率は2021年度よりも0.7%を下回る、0.61%との結果となっています。

所定疾患施設療養費の見直し

所定疾患施設療養費とは、肺炎や蜂窩織炎など、規定の治療を必要とする状態となった入所者に対し、治療や処置が行われた場合に算入できる加算です。

老健入所者の疾患状況を踏まえて、慢性心不全も追加されました。入院を極力させず、施設入所を進める意向となっています。所定疾患施設療養費の単位数は、Ⅰが239単位、Ⅱが480単位となっています。

  • 所定疾患施設療養費(Ⅰ)239単位/日
  • 所定疾患施設療養費(Ⅱ)480単位/日

協力医療機関との連携体制の構築

在宅医療など協力医療機関との連携を強化するため、複数の医療機関と連携できるようにいかが見直されています。

ア 以下の要件を満たす協力医療機関(3については病院に限る)を定めることを義務付ける(複数の医療機関を定めることで要件を満たしても差し支えない)。その際、義務付けにかかる期限を3年とし、連携体制に係る実態把握と必要な対応について検討する。
 1 入所者が急変した場合等に、医師または看護職員が相談対応を行う体制を常時確保している。
 2 診療の求めがあった場合に、診療を行う体制を常時確保している。
 3 入所者の急変が生じた場合等に、当該施設の医師または協力医療機関、その他の医療機関の医師が診療を行い、入院を要すると認められた際、入院を原則として受け入れる体制を確保している。

 イ 1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者の急変が生じた場合等の対応を確認し、当該協力医療機関の名称等について、指定を行った自治体に提出する。

ウ 入所者が協力医療機関等に入院した後に、病状が軽快し、退院が可能となった場合は、速やかに再入所できるように努める。

3年間の猶予期間中に取り組む必要があります。

協力医療機関との定期的な会議の実施

協力医療機関とは、平時からの連携も求められています。入所者の既往歴や現病歴を情報共有する定期的な会議を開催することで加算に算入できます。

単位数は以下のとおりです。

協力医療機関連携加算(1〜3の要件を満たす場合)

【改定前】
なし

【改定後】
100単位/月(令和6年度)
50単位/月(令和7年度〜)

それ以外

【改定前】なし
【改定後】5単位/月

令和7年度以降までに算入できないと、単位数が半減してしまうので協力医療機関と話し合いをしましょう。

入院時等の医療機関への情報提供

入所者が医療機関へ退所した際、生活支援に必要な情報提供を行うことを評価する新加算が設けられています。

【改定前】

退所時情報提供加算:500単位/回

【改定後】

退所時情報提供加算(Ⅰ):500単位/回
退所時情報提供加算(Ⅱ):250単位/回(新設)

(Ⅰ)は主治医へ心身の状況や生活歴を説明することで加算されます。
(Ⅱ)は病院へ退所した際の加算です。

入居者1人につき1回算定できます。

医療機関からの患者受け入れの促進

急性期の医療機関からの受け入れを促進するため、新たな区分が新設されます。

【改定前】

初期加算 30単位/日

【改定後】

初期加算(Ⅰ)60単位日(新設)
初期加算(Ⅱ)30単位/日

【算定要件】

初期加算(Ⅰ)(新設)
 次の基準のいずれかに適合する介護老人保健施設で、急性期医療を担う医療機関の一般病棟への入院後30日以内に退院し、施設に入所した者について、1日につき所定単位数を加算する。ただし、初期加算(Ⅱ)を算定している場合は、算定しない。
 ・ 施設の空床情報について、地域医療情報連携ネットワーク等を通じ、地域の医療機関と定期的に情報共有している。
 ・ 空床情報について、施設のウェブサイトに定期的に公表し、急性期医療を担う複数医療機関の入退院支援部門に対し、定期的に情報共有を行っている。

初期加算(Ⅱ)
入所した日から起算して30日以内の期間については、初期加算(Ⅱ)として、1日につき所定単位数を加算する。
 ただし、初期加算(Ⅰ)を算定している場合は、算定しない。

ターミナルケア加算の見直し

ターミナル加算が見直されます。

【ターミナル加算の変更点】

・死亡日45日前〜31日前80単位/日→72単位/日
・死亡日前日、前々日820単位/日→910単位/日
・死亡日1650単位/日→1900単位/日

単位数の引き上げが行われています。

高齢者施設等における感染症対応力の向上

施設内で感染者の療養や、感染者の対応を評価する高齢者施設等感染対策向上加算がスタートします。

【加算名】

高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ) 10単位/月(新設)
高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ) 5単位/月(新設)

【算定要件】

高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ) 10単位/月(新設)
・感染症法第6条第 17 項に規定する第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保している。
 ・協力医療機関等との間で新興感染症以外の一般的な感染症の発生時等の対応を取り決め、感染症の発生時等に連携し適切に対応している。
 ・診療報酬における感染対策向上加算または外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関または地域の医師会が定期的に行う院内感染対策に関する研修又は訓練に年に1回以上参加している。

高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ)(新設)
 ・診療報酬における感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、3年に1回以上施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けている。

医療との同時改定なため、今までにはない改定となっています。

施設内療養を行う高齢者施設等への対応

新興感染症のパンデミック発生時に必要な感染対策や医療機関との連携を評価する新興感染症等施設療養費が新設されています。単位数は240単位/日で、対象の感染症の対策はパンデミック発生時に応じて指定されます。

新興感染症発生等の対応を行う医療機関との連携

協定締結医療機関との新興感染症の対応を行うことが義務付けられました。

協定締結医療機関とは、都道府県知事と新興感染症対策を行う医療機関が協議を行い、感染症対策に係る協定を結んだ医療機関のことです。

感染症の診療などに迅速に対応できる環境を構築するため、協定締結医療機関と連携している場合は、対応を取り決めるように努めなくてはいけません。

平時からのBPSD(認知症の行動・心理症状)の予防、早期対応の推進

認知症の症状であるBPSD(認知症の行動・心理症状)を未然に防ぐ取り組みを評価する認知症チームケア推進加算が新設されました。

認知症チームケア推進加算(Ⅰ)150単位/月(新設)

【算定要件】
(1) 事業所または施設における利用者または入所者の総数のうち、日常生活に対する注意を必要とする認知症の利用者の占める割合が2分の1以上であること。
(2)認知症の行動・心理症状の予防および出現時の早期対応(以下「予防等」)に資する認知症介護の指導に関する専門的な研修を修了している者、または認知症介護に係る専門的な研修及び認知症の行動・心理症状の予防等に資する研修を修了した者を1名以上配置し、かつ、複数の介護職員から成る認知症の行動・心理症状に対応するチームを組んでいる。
(3) 個別に認知症の行動・心理症状の評価を計画的に行い、その評価に基づく値を測定し、認知症の行動・心理症状の予防等に資するチームケアを実施している。
(4) 認知症の行動・心理症状の予防等に資する認知症ケアについて、カンファレンスの開催、計画の作成、認知症の行動・心理症状の有無及び程度についての定期的な評価、ケアの振り返り、計画の見直し等を行っている。

認知症チームケア推進加算(Ⅱ)120単位/月(新設)

【加算要件】
・(Ⅰ)の(1)、(3)、(4)に掲げる基準に適合すること。
・ 認知症の行動・心理症状の予防等に資する認知症介護に係る専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、かつ、複数人の介護職員から成る認知症の行動・心理症状に対応するチームを組んでいる。

計画書の作成や定期的な評価を、チームで取り組んでいることが重要です。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算の見直し

認知症利用者の居宅ケアの強化を評価する新たな区分が設けられます。

【加算名】

・認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ) 240単位/日(新設)
・認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ) 120単位/日(変更)

【算定要件】

・認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ) (新設)
次に掲げる基準に適合する介護老人保健施設において、1日につき所定単位数を加算する。
(1)理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が適切に配置されている。
(2)入所者数が、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の数に対して適切なものである。
(3)入所者が退所後生活する居宅または施設等を訪問し、生活環境を踏まえたリハビリテーション計画を作成している。
・認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ) (現行と変わらず)
・認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の(1)(2)に該当するものであること

認知症リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の単位数は240単位、(Ⅱ)は120単位です。

リハ・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組の推進

リハビリテーションやマネジメント計画書情報加算の要件を満たす場合に評価する新たな区分が設けられます。

【改定前】

リハビリテーションマネジメント計画書情報加算 33単位/月

【改定後】

リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ) 53単位/月 (新設)
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅱ) 33単位/月
※加算(Ⅰ)、(Ⅱ)は併算定不可

【算定要件】

・入所者ごとのリハビリテーション計画書の内容等の情報を厚生労働省に提出している。必要に応じてリハビリ計画の内容を見直す等、リハビリの実施に当たって、当該情報その他必要な情報を活用している。
 ・口腔衛生管理加算(Ⅱ)および栄養マネジメント加算を算定している。
 ・入所者ごとに、医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員その他の職種の者が、リハビリ計画の内容等の情報その他必要な情報、入所者の口腔の健康状態および入所者の栄養状態に関する情報を相互に共有している。
 ・共有した情報を踏まえ、必要に応じてリハビリ計画の見直しを行い、内容について、関係職種間で共有している。

リハ・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直し

リハビリや栄養管理に係る取り組みを一体的に取り組んでいくため、各計画書の記載項目が整理されました。
科学的介護推進体制(LIFE)が、2024年4月以降は新しい様式に変更されます。

関連職種の相互連携がしやすくなるので、効果的・統一した自立支援・重度化予防のケアの提供が期待されています。

短期集中リハビリテーション実施加算の見直し

短期集中リハビリテーション実施加算が見直されました。

【改定前】

・短期集中リハビリテーション実施加算 240単位/日

【改定後】

・短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ) 258単位/日(新設)
・短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ) 200単位/日(変更)
※算定期間は入所後3月以内

短期集中リハビリテーション実施加算の見直し

短期集中リハビリテーション実施加算が見直されました。

【改定前】

短期集中リハビリテーション実施加算 240単位/日

【改定後】

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ) 258単位/日(新設)
短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ) 200単位/日(変更)
※算定期間は入所後3月以内

【算定要件】

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ) (新設)
 ・入所者に対して、医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士が、その入所の日から3月以内の期間に集中的にリハビリを行い、かつ、原則入所時および月1回以上ADL等の評価を行うとともに、評価結果等の情報を厚生労働省に提出し、必要に応じてリハビリ計画を見直している。
短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)(現行と変わらず)
 ・入所者に対して、医師等が、その入所の日から3月以内の期間に集中的にリハビリを行っている。

短期集中リハビリテーション実施加算 と比べると、短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)は18単位プラスされています。

口腔衛生管理の強化

利用者の入所の際には、口腔管理の強化や定期的な評価が義務付けられます。この評価は歯科医師や歯科衛生士ではなく、施設の職員でも行えます。

外部の歯科医師や歯科衛生士が行う場合は、施設との連携内容を文書でまとめておかなくてはいけません。

利用者の口腔管理は、歯科医師や歯科衛生士の技術的助言や指導を年2回以上受ける必要があります。

退所者の栄養管理に関する情報連携の促進

入所者の栄養管理を実施することで得られる、新加算が設けられました。

【加算名】

退所時栄養情報連携加算:70単位/回(新設)

【算定要件】

・厚生労働大臣が定める特別食※を必要とする入所者または低栄養状態にあると医師が判断した入所者を対象とする。
※医師の発行する食事箋に基づく栄養量及び内容を有する腎臓病食、 肝臓病食、糖尿病食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓病食、脂質異常症食、痛風食、嚥下困難者のための流動食、経管栄養のための濃厚流動食及び特別な場合の検査食(単なる流動食及び軟食を除く)。
 ・管理栄養士が、退所先の医療機関等に対して、当該者の栄養管理に関する情報を提供する。
 ・1月につき1回を限度として所定単位数を算定する。

再入所時栄養連携加算の対象の見直し

再入所時栄養連携加算の算定内容に、厚生労働大臣が指定する特別食を提供する必要がある利用者も算定対象に加わりました。

ユニットケア施設管理者研修の努力義務化

ユニットケアの質向上を目指すため、個室ユニット型施設の管理者には、ユニットケア施設管理研修の受講が求められます。

在宅復帰・在宅療養支援機能の促進

在宅復帰や在宅療養機能を推進する観点から以下の見直しが行われました。

【告示改正】

ア 入所前後訪問指導割合に係る指標について、それぞれの区分の基準を引き上げる。
イ 退所前後訪問指導割合に係る指標について、それぞれの区分の基準を引き上げる。
ウ 支援相談員の配置割合に係る指標について、支援相談員として社会福祉士を配置していることを評価する。

見直しの際は、6ヵ月の経過措置が設けられます。また在宅復帰や療養の取り組みを促進するため、入所前後訪問指導割合や退所前後訪問指導割合支援相談員の配置割合の見直しを行いました。

改定に強弱が別れた内容となっています。

かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し

入所前に主治医と薬剤に関する取り組みを推進するため、かかりつけ医連携薬剤調整加算が見直されます。

【かかりつけ医連携薬剤調整加算の変更点】

・かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ) 100単位/回 
→かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ)イ 140単位/回(変更)、ロ 70単位/回(新設)
・かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ) 240単位/回 → 240単位/回
・かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅲ) 100単位/回 → 100単位/回

入所者1人につき1回を限度とし、当該入所者の退所時に加算されます。

科学的介護推進体制加算の見直し

科学的介護推進体制(LIFE)とは、施設で実施しているケア計画や内容などを一定の様式で入力すると、厚生労働省からフィードバックが届く情報システムです。

入力項目の定義の明確化や他の加算と共通している項目の見直しを実施する必要があります。他にもLIFE加算に算入するには、改定前では6ヵ月に1回データを提出する必要がありました。しかし改定後からは3ヵ月に1回となっています。

また利用者のサービス開始月や計画策定時などは、LIFEに入力するタイミングが異なります。そのため事務作業の煩雑さが懸念されていましたが、初回のデータ提出時期は他のLIFE関連加算と揃えることが可能です。

頻度が増えるため、ICTや人員の確保などをする必要があります。また、単位数は月40単位で据え置きとなっています。これまでは6ヵ月で240単位だったため、労力に対して単位数が減少してしまうでしょう。

自立支援促進加算の見直し

自立支援促進加算の見直し内容は以下のとおりです。

  • 入力項目の定義の明確化や他の加算と共通している項目の見直しを実施
    • LIFEへの初回データ提出時期について他のLIFE関連加算と揃えることが可能
  • 医師の医学的評価を少なくとも「6ヵ月に1回」から「3ヵ月に1回」に見直す
  • 事務負担の軽減を行いつつ評価の適正化を行う

単位数は280単位/月へと改定されます。

排せつ支援加算の見直し

排せつ支援加算が見直されました。排せつ支援加算が見直され、排せつ支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)が新設されました。

単位数と算定要件は以下のとおりです。

【単位数】

・改定前
排せつ支援加算 100単位/月 
・改定後
排せつ支援加算(Ⅰ)10単位/月 (新設)
排せつ支援加算(Ⅱ)15単位/月 (新設)
排せつ支援加算(Ⅲ)20単位/月 (新設)

【算定要件】

【排せつ支援加算(Ⅰ)】
イ 排せつに介護を要する入所者等ごとに、要介護状態の軽減の見込みについて、医師又は医師と連携した看護師が施設
入所時等に評価するとともに、少なくとも六月に一回、評価を行い、その評価結果等を厚生労働省に提出し、排せつ支援
に当たって当該情報等を活用していること。
ロ イの評価の結果、適切な対応を行うことにより、要介護状態の軽減が見込まれる者について、医師、看護師、介護支援専
門員等が共同して、排せつに介護を要する原因を分析し、それに基づいた支援計画を作成し、支援を継続して実施してい
ること。
ハ イの評価に基づき、少なくとも三月に一回、入所者等ごとに支援計画を見直していること。

【排せつ支援加算(Ⅱ)】
排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている施設等において、適切な対応を行うことにより、要介護状態の軽減が見込まれる者について
・ 施設入所時等と比較して、排尿・排便の状態の少なくとも一方が改善するとともに、いずれにも悪化がない
・ 又はおむつ使用ありから使用なしに改善していること。

【排せつ支援加算(Ⅲ)】
排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている施設等において、適切な対応を行うことにより、要介護状態の軽減が見込
まれる者について、
・ 施設入所時等と比較して、排尿・排便の状態の少なくとも一方が改善するとともに、いずれにも悪化がない
・ かつ、おむつ使用ありから使用なしに改善していること。

褥瘡マネジメント加算の見直し

褥瘡マネジメント加算が見直され、褥瘡マネジメント(Ⅰ)(Ⅱ)が新設されました。

単位数と算定要件は以下のとおりです。

【単位数】

・褥瘡マネジメント加算(Ⅰ) 3単位/月 (新設)
・褥瘡マネジメント加算(Ⅱ) 13単位/月 (新設)

【褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)】

イ 入所者等ごとに褥瘡の発生と関連のあるリスクについて、施設入所時等に評価するとともに、少なくとも三月に一回、評
価を行い、その評価結果等を厚生労働省に提出し、褥瘡管理の実施に当たって当該情報等を活用していること。
ロ イの評価の結果、褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者等ごとに、医師、看護師、管理栄養士、介護職員、介護
支援専門員その他の職種の者が共同して、褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成していること。
ハ 入所者等ごとの褥瘡ケア計画に従い褥瘡管理を実施するとともに、その管理の内容や入所者等ごとの状態について定
期的に記録していること。
ニ イの評価に基づき、少なくとも三月に一回、入所者等ごとに褥瘡ケア計画を見直していること。

【褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)】

・褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている施設等において、施設入所時等の評価の結果、褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者等について、褥瘡の発生のないこと。

利用者の安全、介護サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置の義務付け

介護現場の生産性を向上するため、介護サービスの質向上と職員の負担軽減に関する計画を検討するための委員会設置が義務付けられています。なお、3年間の経過措置期間が設けられています。

ユニット間の勤務体制に係る取扱いの明確化

新規採用職員の指導に当たる場合や夜間に担当する他ユニットの入居者の生活歴を把握する目的で、必要に応じてユニット間のケア体制を柔軟化する必要があるとの声がありました。そのため今後は職員の所属ユニットが明確であれば、ユニット間での勤務が可能となります。

認知症情報提供加算の廃止

認知症情報提供加算は廃止されました。

地域連携診療計画情報提供加算の廃止

地域連携診療計画情報提供加算は廃止されました。

老健での入居者対応が大きく変わる可能性がある

今回の改定により、医療機関から退院してきた型を評価する区分が新設されました。またターミナル加算の見直しが行われたため、看取り対応も老健で頻繁に行えるようになります。老健で受け入れる入居者の質が変わるので、介護職は今までと異なる対応をしなくてはいけません。

日本では高齢化が進んでいるため、この流れは今後も加速していきます。老健で働く介護職には、医療や看護に関する専門的な知識が求められるようになるでしょう。

この記事を書いた人

山田亮太のアバター 山田亮太 介護福祉士

2016年から特別養護老人ホームに勤務。日常生活支援から身体介護を経験し、リーダー業務にも就く。2019年に介護福祉士を取得し、2020年に認知症実践者研修を修了。

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